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大昔の虫歯治療は多くの苦痛を伴うものだった

現代では、虫歯ができたら気軽に歯医者さんに行くことができます。
それは治療中の痛みがない、又は少ない治療法が開発されたからといえるでしょう。
ところが、麻酔というものが発見されていなかった昔は、歯の治療といえば、それは多くの痛みや苦痛を伴うものでした。
当時の医師は歯を抜いたあと鋭い器具で中をえぐり、そこに加熱した金属をたたくようにして埋め込んでいたのです。
想像するだけでもすごい光景ですが、その時代はそれ以外に治療法というものはありませんでした。
痛みをやわらげるために、大麻やアヘンなどが長い間使用されてきましたが、麻酔ほどに痛みを消す効果はありませんでした。
そんななか、18世紀後半にイギリスの学者が発見した、亜酸化窒素の存在が知られるようになります。
麻酔のような作用があるといわれるものです。
ところが臨床化には程遠く19世紀前半になるまでそれが治療に使われることはありませんでした。
1844年、患者の痛みをなんとかしたいと考えていたアメリカの歯科医が、亜酸化窒素を麻酔に使用することを試みました。
自分の体で実験をしたその歯科医は、使用することで抜歯に痛みを伴わなかったことを発見します。
ここでついに歯科治療の痛みをとる方法が確立されたわけです。
それからも虫歯治療は進歩をし続け、現代の私たちは大昔の人々のような恐怖を感じずに、気軽に歯医者さんにいけるようになったのです。

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